ゴマノハグサ科クワガタソウ属

オオイヌノフグリ

Veronica persica Poir.

コゴメイヌノフグリ
愛媛県東温市 2007. 3. 23

都市近郊で最もポピュラーな雑草にして帰化植物のひとつ。 和名は,扁平なハート型をした果実がオスの犬の大事な部分に似ていなくもないことからつけられた。

もとは西アジア原産とされているが,現在ではヨーロッパをはじめとする世界中に広がっている。 まだ春が遠いうちから咲き始めることもあって存在感は抜群であり, 今ではすっかり季節の風物詩のひとつになってしまった。 その花は,澄み切った冬の青空の色をそのまま写しとったような,鮮やかなコバルトブルー。 造形も細部まで凝っており,ルーペなどで拡大してみるとその美しさに息を呑む。

花の中心にある雌蕊の左右には雄蘂がひとつずつ配置 されているのだが,暗くなって花が閉じると,葯が花冠に押されて柱頭に接触する。 路傍雑草の多くがそうであるように,オオイヌノフグリは自身の花粉でも種子を生産する ことができるため,この自動受粉により,昆虫の訪花があまり望めない冬期や悪天時でも確実に子孫を残すことができる。 単純ではあるが,実に巧妙な仕組みだといえよう。

【生育地】 畑地や路傍など
【生活史】 越年草
【分布】 ほぼ全世界に帰化 −西アジア原産
【花期】 (12〜)3〜5月 


花冠の中央部は黄色を帯びる
愛媛県東温市 2007. 3. 23