キク科アザミ属

オニアザミ

Cirsium borealinipponense Kitam.

オニアザミ
福井県大野市 2004. 7. 3

山地帯から高山帯まで,幅広い環境で見られるアザミである。 名前から受けるイメージの通り, 全身を鋭い刺で武装している。茎のてっぺんに大きな花を下向きに数個まとめて 咲かせるのが最大の特徴で,暗い森の中だろうと高山の吹きさらしの 尾根筋だろうと,この性質は変わらない。写真の株の近くには,同じように 刺だらけだが上向きの花を咲かせるオニオオノアザミも大量に生えており, 奇妙な対照をなしていた。

このように茎をわざわざ半回転させてまで花を地面に向けるからには, 何か譲れない利点がある筈だ。 すぐに思いつくのは雨で濡れて花粉が 駄目になるのを防げるという点だが,もうひとつ,蜜や花粉のただ食いを減らす効果も あるのかもしれない。優秀な送粉者であるマルハナバチ類は逆さまの花にも楽に止まることが できるが,送粉にあまり寄与しない他の昆虫たちの中にはそういった花を嫌う種類も多いからだ。

【生育地】山地帯上部から亜高山帯の草地 【生活史】多年草 【分布】本州(中部地方以北の日本海側) 【花期】6〜9月



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