キク科オケラ属

オケラ

Atractylodes ovata (Thunb.) DC.

オケラ
岩手県 2007. 9. 27

晩秋の雑木林の林内で,ほのかに紅の差した白い花を咲かせるキク科の植物は多い。 コウヤボウキの仲間,ハグマの仲間,そしてこのオケラ。 舌状花を持たない飾り気のない花ばかりだが,どれも日本的な風情にあふれた草姿をしているので,何かと 印象に残る。彼らの花が目立つようになると,冬はもうすぐそこまで来ている。

オケラは,頭花のまわりの魚の骨のような形をした苞,単葉から3小葉まで 変化する葉など,分かりやすい特徴が多い種類である。古くから,若芽は山菜,花は茶花,地下茎は健胃薬と, 様々な用途に使われてきた。もっとも,近年の里山での管理放棄の進行のため,都市近郊でその姿をみることは少ない。しかし, 北東北のとある墓地では,オヤリハグマ,オクモミジハグマ,キッコウハグマの三者三様の花序に混ざって, 本種がぽつりぽつりと花をつけており,暗くなりがちな風景の中にささやかな彩りを添えていた。

【生育地】 山地の乾いた草原や明るい林内
【生活史】 多年草
【分布】 本州,四国,九州 −朝鮮,中国(東北部)
【花期】 9〜10月
【備考】 実はこっそり雌雄異株であり,雄株と雌株とでは雄しべ・雌しべの発達の度合いに違いが見られる。