スミレ科スミレ属

ミヤマスミレ

Viola selkirkii Pursh ex Goldie

Viola selkirkii
新潟県佐渡市 2004. 5. 1

スミレの仲間には,その生育環境にちなんだ名前を持つものが 幾つかある。ぱっと思い浮かぶだけでも高嶺(タカネ)スミレや麓(フモト)スミレ, 谷間(タニマ)スミレ。タチツボスミレやツボスミレの「坪」(庭という意味)も, 人家近くを好むという点を表しているという点で同類だろう。 ここで取り上げたミヤマスミレも,そういった種類のひとつである。

深山(ミヤマ)とは本来は人里離れた深い山という意味。しかし, ミヤマ何たらという名前を持ちながら都市近郊でも普通に見られる 種類は意外と多い。ミヤマキケマンやミヤマカタバミ,ミヤマシキミ などがその好例だが,本種は少なくとも関東近辺ならば標高1000m以上 の山地でしか見られず,その名に相応しいといえる。

花の色は赤味を帯びた濃い紫色が普通だが,写真のように 花の色が薄く,一見タチツボスミレ類のように見える株もある。 しかし,彼等のように花の後で茎が立ち上がることはないし, 托葉が櫛の歯のように切れ込むこともない。葉の縁に先の尖った粗い鋸歯が 目立つ点も,ミヤマスミレの特徴だ。

【生育地】 山地の落葉樹林内
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州,四国
【花期】 5〜6月