マツムシソウ科マツムシソウ属

マツムシソウ

Scabiosa japonica Miq.

マツムシソウ
岐阜県 2008. 8. 17


晩夏から初秋の高原を代表する花のひとつである。

父が勤めていた会社の保養所が蓼科や霧ヶ峰にあったため,幼少の頃は毎年8月下旬に避暑に行ったものだが, 散策路沿いには決まってマツムシソウが群生していた。その儚げな藤色の花を見るたびに, 夏休みももう終わりかとアンニュイな気分になったことを覚えている。ただ,虫たちにとっては そんな感傷は当然ながら関係なく,林縁にぽつねんと生えていたこの株にもハナアブが途切れなく 訪れていた。

マツムシソウの生活史特性については異論があり,文献によって越年草とされていたり多年草とされていたりする。 そのため,一回繁殖型の多年草と捉えるのが 妥当かもしれないが,結実した株の根元に新たなロゼットが生じるとの記載もあり,正直なところよく分からない。 栄養状態や発芽時期などによって生活史パターンを変化させている可能性が高いため,地下部も含めて個体群動態をきちんと調べてみる 必要がありそうだ。

【生育地】 山地の明るい草原
【生活史】 多年草または越年草
【分布】 北海道,本州,四国,九州
【花期】 8〜9月
【備考】 高山帯には変種のタカネマツムシソウが分布する。