ガガイモ科カモメヅル属

クサタチバナ

Vincetoxicum acuminatum Decne.

Vincetoxicum acuminatum
群馬県桐生市 2004. 5. 18

今でこそ街に行けばいろいろな種類が見られる柑橘類だが,その大半は 実は栽培品種だ。日本に自生していたものとなると実に少なく, タチバナ(分類学的にはニッポンタチバナとコウライタチバナ)とシークーサー だけ。このうち,静岡県以西の太平洋側に点々と分布するタチバナは, 最も身近な柑橘類のひとつとして昔から親しまれてきた。 万葉集や古今和歌集などでも頻繁に詠われている。

クサタチバナは,そんな由緒ある果物の名前を冠する植物のひとつである。 ただし,橙色の果実をつける訳ではないし,ミカンのような匂いがあるわけでも ない。では何故タチバナなのかというと,花がそっくりだからだ。 系統的には縁遠いものの,白くて細めの花弁が5枚あるという点は確かに両種共通。 この花の持つ清々しい雰囲気をうまく表現した, 納得のいくネーミングだといえよう。

【生育地】 やや乾燥した林内
【生活史】 多年草
【分布】 本州関東以西,四国
【花期】 5〜7月