イワウメ科イワウチワ属

コイワウチワ

Shortia uniflora (Maxim.) Maxim. var. kantoensis T.Yamaz.

コイワウチワ
茨城県高萩市 2010. 4. 10

花色の濃い株 横から 花のクローズアップ3 花のクローズアップ2

イワカガミとイワウチワは,属こそ違うものの同じ科に含まれ,種名・変種名・草姿が似ているためしばしば混同される。しかし,両者の間には大きな違いが幾つかある。

そのひとつが花期の違いだ。さまざまな標高の場所に分布し,春以降もよく花を目にするイワカガミとは異なり,イワウチワはソメイヨシノが咲き始めるかどうかといった春の早い時期に一斉に開花し,散ってしまう。私はイワカガミよりはずっと稀な植物だと思っていたが,単に花の季節に山に入ったことがなかっただけだったらしい。少なくとも茨城県北部では,ある程度まともな森が残っている山であれば,そう珍しくはないようだった。

花はイワカガミと違ってひとつずつしか着かず,色も薄いが,その分大輪でよく目立つ。花冠には規則正しい切れ込みが入り,大層目を引く。

【生育地】 山地の半日陰の斜面や岩場
【生活史】 多年草
【分布】 本州(関東〜東北の太平洋側)
【花期】 3〜4月
【備考】 東北の日本海側には同じく葉の基部が心型だが葉が大きく,横幅と長さがほぼ等しくなるオオイワウチワが,北陸以西の日本海側には葉の基部が円形〜くさび形のイワウチワ(トクワカソウ)が分布し, これらとコイワウチワは互いに変種の関係にある。学名上の基準はオオイワウチワ。