キンポウゲ科イチリンソウ属

キクザキイチゲ

Anemone pseudoaltaica H.Hara

キクザキイチゲ Anemone pseudo-altaica
岩手県一関市 2010. 4. 25

キクザキイチゲ Anemone pseudo-altaica
岩手県一関市 2010. 4. 25

スプリング・エフェメラルあるいは春植物と呼ばれる一群の植物がある。他の植物がまだ展葉していない春の早い時期に芽吹いて花を咲かせる種類のことで,気の早い種類では花の後すぐに果実を実らせ,とっとと地上部を枯らしてしまう。地表への光を遮るものが少ないうちに効率よく光合成を行い,得られた栄養を使って植物同士の競争が激しくなる季節までに種子を作ってしまうという戦略である。

キンポウゲ科のイチリンソウ(Anemone)属は,春植物が特に多いグループのひとつだ。 関東の里山の雑木林では,イチリンソウ,ニリンソウ,アズマイチゲ,そしてこの キクザキイチゲが普通に見られる。和名は「菊咲き一花」で,菊に似た雰囲気を 持つ花を一輪だけ咲かせることに由来する。日本海側の多雪地では花色の変異が特に大きく,株によって 真っ白から濃い紫まで様々なので,見ていても飽きない。

【生育地】 落葉広葉樹林内
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(兵庫県以北) −日本,朝鮮
【花期】 3〜5月
【備考】変種として,神奈川県の箱根から丹沢にかけての山域には全体小型のコキクザキイチゲが,山形県飛島には逆に大型のヒロハキクザキイチゲが知られる。 後者の花のサイズは基準変種の倍近くあり,直径7cm近くに達するという[1]