スミレ科スミレ属

キバナノコマノツメ

Viola biflora L.

キバナノコマノツメ
長野県上伊那郡宮田村 2005. 7. 17

高山のスミレには何故か黄色い花を咲かせる種類が多いが, それらは 大きく2つのまとまりに分けられる。 ひとつは茎の上部に 3枚ほどの葉が集まってつき,側花弁の基部に毛があるグループであり, ミヤマキスミレなどが該当する。そしてもうひとつは 根生葉と茎葉をもち,側花弁の基部に毛がないグループ。 キバナノコマノツメは,タカネスミレとともにこちらに含まれる。 黄花種の中では,最もありふれたもののひとつだといえる。

この2種は一見するとそっくりだが,生育環境がはっきりと異なる。 タカネスミレが稜線近くの乾いた砂礫地を好むのに対し,キバナノコマノツメは 残雪の近くや谷筋などのやや湿った場所に多い。この差を反映してか, 葉の質感にも違いがみられる。前者の葉は,亜種・変種によって光沢や毛の有無に差が あるものの,概して分厚くて硬い。一方,後者の葉は比較的薄くてやや柔らかな質感であり, 表面には細かい毛が生えている。

【生育地】 亜高山〜高山帯の湿った草地や岩場など; 谷筋に多い
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(中部地方以北),四国,屋久島
【花期】 6〜8月

キバナノコマノツメ
長野県上伊那郡宮田村 2005. 7. 18