シソ科アキギリ属

キバナアキギリ

Salvia nipponica Miq.

キバナアキギリ Salvia nipponica
岩手県一関市 2007. 9. 25

サルビアは夏の花壇を彩る花の定番のひとつだ。特にヒゴロモソウ (Salvia splendens) は有名で,サルビアと聞けば大多数の人が その鮮烈な緋色の花を思い浮かべるほど普及している。最近は 澄んだ青紫色の花をやや疎らに咲かせるケショウサルビア(S. farinosa) なども盛んに植えられるようになった。花冠だけでなく萼も同系統の派手な色を しているので,花が終わってからも鑑賞できるのが心憎い。

一方,日本にもとから生育しているサルビアたちは,彼等と比較すると随分と控えめな 花を咲かせる。 淡い黄色が特徴的なこのキバナアキギリの花も,ボリュームこそあるものの, 園芸種が持つような強烈な自己主張はやはり感じられない。 その代わり,見ていて心が癒されるような優しさがある。 分かりやすい美しさが求められる花壇には向かないが, ある種の寂しさを漂わせる秋の里山の雰囲気には実によく合うと思う。

なお,主な訪花昆虫はマルハナバチである。風の弱い晴れた日に本種の群生地を 訪れる機会があったなら,耳を澄ましてみるとよい。あの独特の重い羽音があちこちから 聞こえてくることだろう。無心に花粉を 集める彼らの仕草をじっと観察してみるのも楽しい。

【生育地】 平地から山地にかけての林内
【生活史】 多年草
【分布】 本州,四国,九州
【花期】 9〜10月