カタバミ科カタバミ属

カントウミヤマカタバミ

Oxalis griffithii Edgew. et Hook.f. var. kantoensis (Terao) T.Shimizu

カントウミヤマカタバミ
東京都八王子市 2009. 4. 4


白い花を咲かせる森林性のカタバミ類 −ミヤマカタバミ,コミヤマカタバミオオヤマカタバミ− は,花が大きく,しばしば群生するので, 早春の森を彩る花のひとつとして広く認知されている。ただ,彼らの見た目の違いは時として微妙であり,正確な同定のためには,きちんとした観察が欠かせない。

カントウミヤマカタバミは,極東アジアに広い分布域をもつミヤマカタバミの変種のひとつである。識別のポイントは,母種に比べて葉裏の毛が少ないこと,および果実の長さがせいぜい12 mmしかなく,卵球形をしていること。 ただし,前者は比較対象がいないとイマイチ分かりにくく,後者は花期や果実が未熟な時期には使えない。 いけないことだとは分かっているのだが,ついつい分布域からラフに同定してしまいがちである。

東京随一のスミレの名所として知られる高尾山にはこの植物が特に多く,早春の沢沿いの林床は彼らとユリワサビの花で白く塗りつぶされる。 新年度最初の週末であったこの日は絶好の登山日和となり,彼らの花を存分に堪能することができた。

【生育地】 落葉樹林やスギ人工林などの林床
【生活史】 多年草 
【分布】 本州(南関東,東海地方); 母種のミヤマカタバミはこれらの地域を除いた本州,四国,朝鮮,中国,ヒマラヤ東部に分布
【花期】 3〜4月