カヤツリグサ科シンジュガヤ属

カガシラ

Scleria caricina (R.Br.) Benth.

カガシラ
栃木県 2005. 9. 17

貧栄養湿地や攪乱の影響を強く受ける湿地でみられる植物の多くは小型だが, そんな様子を巧みな比喩で表現した例が幾つかある。 有名なのはノミノフスマ。小さな葉を蚤の寝具に見立てての命名だ。また,ややマイナーになるが, アブノメというものもある。こちらは果実を虻の複眼にたとえたものである。 両者とも植物体全体ではなくて一部に注目した 命名ではあるものの,サイズが小さいというニュアンスは充分すぎるほど伝わってくる。

ここに紹介するカガシラも,彼らと同系統の名前をもつと思われるもののひとつだ。 日本に10種程度分布するシンジュガヤ属植物のひとつで,同属の他の小型種とは花序が頭状で 柄をもたないことで識別できる。 和名を漢字で書くと,おそらく蚊頭となるのだろう。何処をそれにたとえたのか分からないが, 語感もいいし,覚えやすくていい名前だと思う。

【生育地】 低地〜丘陵地の貧栄養湿地
【生活史】 一年草
【分布】 本州(関東地方以西),九州,沖縄
【花期】 7〜10月
【備考】 絶滅危惧TB類(環境庁 2000)。 最近ではカガシラ属(Diplacrum)としてシンジュガヤ類とは別に扱われることも多い。