シソ科イブキジャコウソウ属

イブキジャコウソウ

Thymus quinquecostatus Celak.

イブキジャコウソウ
群馬県みなかみ町 2010. 7. 25

イブキジャコウソウ
山梨県南アルプス市 2008. 7. 27

香りの強いシソ科の植物は,しばしばハーブとして民間薬や料理のスパイスに使われる。ミント,ラベンダー,ローズマリーなど,例を挙げればきりがない。彼らの多くはヨーロッパ原産であるが,日本にも少ないながら近縁の種は存在する。イブキジャコウソウはそのひとつであり,肉や魚介類などの匂い消しに欠かせないタイムと同属である。

ただ,日本でのイブキジャコウソウの位置づけは,せいぜい山で出会う花の美しい植物,といったところ。明るい乾燥した環境であれば比較的標高の低い山にも出現するので,アウトドア系の趣味のある人にはなじみ深い種類だろう。平地でもよく育つので,グラウンドカバープランツや園芸植物としての需要もあるようだ。反面,ニホンハッカのように香草として利用されていた,もしくはされているという話は,身の回りでは聞いたことがない。麝香のようだと形容されるその芳香が,日本人の感覚に合わなかったのかもしれない。

【生育地】 山地〜高山の明るい岩礫地や草地
【生活史型・生育型】 常緑小低木
【分布】 北海道,本州,九州; 朝鮮,中国,ヒマラヤ
【花期】 6〜8月