キク科ウスユキソウ属

ヒメウスユキソウ

Leontopodium shinanense Kitam.

ヒメウスユキソウ
長野県上伊那郡宮田村 2005. 7. 17

伊那谷の西側に連なる中央アルプスは,木曽駒ヶ岳や空木岳などの名峰を擁するものの, そのスケールは南北アルプスに比べると小さい。また,地質は花崗岩が中心であり, 石灰岩や蛇紋岩などの特殊な立地は少ない。夏山登山のシーズンともなると,稜線上には見事なお花畑が 現出するが,その中にこの山域に特産する高山植物がほとんど見当たらないのは, こうした背景のためなのかもしれない。

木曽駒ヶ岳から檜尾岳にかけての風衝地に多いヒメウスユキソウは, そんな数少ない中央アルプス固有種のひとつである。名前の通り日本のウスユキソウ属の中では最も小柄であり, 風当たりの特に強い場所では高さ3cm程度にしかならないことも。花茎あたりの頭花の数も2〜3個と 最少の部類に入る。あまりにも可愛らしく儚げなその姿に目が慣れてしまったため, しばらくは普通のウスユキソウがヤマハハコに見えてしまって困った。

【生育地】 尾根筋などの乾いた岩礫地
【生活史】 多年草
【分布】 本州(中央アルプス)
【花期】 7〜8月
【備考】国のRDBで絶滅危惧U類(VU)。コマウスユキソウとも呼ばれる

頭花のアップ
長野県上伊那郡宮田村 2005. 7. 17