ユリ科ユリ属

ヒメサユリ

Lilium rubellum Baker

ヒメサユリ Lilium rubellum
福島県只見町 2002. 6. 12

初夏の日本海側の高原を彩る,可憐なユリ。「姫小百合」の名前の通り,全体に線が細くて 女性的な感じがする。薪炭材などを得る目的で,里山がきちんと 管理されていた時代は,低地でもあちこちでこのヒメサユリの大群落が見られたという。 しかし,放棄に伴う遷移や美しい花目当ての盗掘のため,最近ではそのような場所は ひどく減ってしまったそうだ。

私がこのユリに初めて出会ったのは,只見の人里に近いとある山裾。株の密度そのものは あまり高くはなかったものの,梅雨の走りの霧雨で霞んだ景色の中に,あちらに一輪, こちらに一輪と薄紅色の花が浮かぶ様は,幻想的ですらあった。

関東にはヒメサユリが分布していないので,こういった情景を見ることはかなわぬ夢だ。 よく似た色調の花を咲かせるササユリが分布してはいるが, ヒメサユリに比べると可憐さが足りない気がする。

【生育地】 山地の草原
【生活史】 多年草
【分布】 本州(宮城,新潟,福島,山形の県境地域) −日本固有
【花期】 6〜8月
【備考】 環境省(2007)のレッドリストで準絶滅危惧(NT)


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