シソ科キランソウ属

ヒイラギソウ

Ajuga incisa Maxim.

ヒイラギソウ
群馬県 2010. 5. 22

ヒイラギソウ
群馬県 2010. 5. 22

葉の直線的な切れ込みがヒイラギを連想させるため,この名がついた。

かつては北関東の山々の至るところに大きな群落が見られ,初夏の沢筋が紫色に染まることも珍しくはなかったそうだ。しかし,現在では観察できる場所は限られており,国のレッドリストではかつて絶滅危惧U類[1],2007年の改訂後は絶滅危惧TB類[2]の指定を受けている。個体数減少の背景には,園芸目的の盗掘の横行や,植林されたスギの成長に伴う生育環境の悪化などがあるようだ。

葉の表情は他に例のない独特なものなので,慣れた人ならば花がなくてもそれと分かる。また,濃い青紫の花が集まったボリュームのある花序は,とてもキランソウヒメキランソウ等と同じグループに属する植物のものとは思えない。初めて出遭った時は,わたしもウツボグサの類と勘違いしてしまった。

【生育地】 山地の沢筋や湿った林内
【生活史】 多年草
【分布】 本州(北関東)
【花期】 4〜5月
【備考】 類似種にカイジンドウがある。ヒイラギソウよりも乾燥した場所を好む。