リンドウ科リンドウ属

ハルリンドウ

Gentiana thunbergii (G.Don) Griseb.

ハルリンドウ Gentiana thunbergii
岩手県一関市 2009. 5. 15

ハルリンドウ Gentiana thunbergii
岩手県一関市 2010. 5. 18

フデリンドウと双璧をなす,春咲きのリンドウ類の代表格といえる存在。

ただし,和名とは裏腹に,里を歩いていて遭遇する頻度はフデリンドウに比べるとずっと少ない。その背景には地史的なものもあるのだろうが,本種の生育地である明るい開けた場所が,最近の管理放棄で少なくなっているということも影響しているのかもしれない。対して,フデリンドウはどちらかというと半日陰の林内を好むので,そういった社会情勢の影響は受けにくいことが予想される。

両者の生育環境の違いは草姿にも現れている。フデリンドウは枝分かれが少なく,地際に近づくにつれて葉のサイズが徐々に小さくなる。蕾の状態では,筆を地面に突き刺したように見えなくもない。一方,ハルリンドウでは地際の葉が大きくなり,地面に伏してロゼットを形成する。茎はそのすぐ上で分岐し,枝の先にひとつずつ花をつける。十分な量の直射日光が見込めるのなら,このような葉の配置の方が効率良く光合成できるだろう。

【生育地】 平地〜山地のやや湿った明るい草地や林縁,湿地
【生活史】 一年草もしくは越年草
【分布】 北海道,本州,四国,九州; 朝鮮,中国中南部
【花期】 3〜5月
【備考】 高山の湿原に生え,全体に小型・華奢なタイプをタテヤマリンドウと呼ぶ。