ミズキ科ゴゼンタチバナ属

ゴゼンタチバナ

Chamaepericlymenum canadense (L.) Asch. & Graebn.

ゴゼンタチバナ
福島県檜枝岐村 2004. 6. 28

山登りの趣味があって,なおかつ植物に多少なりとも興味を持っている人にとっては, 毎回遠出するたびに出会う顔馴染み。

ハナミズキを小さくしたようなかわいい花についつい目が行ってしまいがちだが, その下に並ぶ葉もじっくり観察すると興味深い。普通の植物と違って,茎あたりの 枚数が決まっているのである。若い茎では4枚, 開花できるサイズに達した茎では大きめの2枚と小さめの4枚の計6枚。 いずれも対生しているのだが,節間が詰まっているせいで遠目には輪生しているように見える。 成株で葉の大きさに差があるのは,向かい合った2枚の葉の両脇にごく短い枝を出し, その先に更に2枚ずつ葉をつけるためだ。

何故わざわざこんなことをするのだろうか。おそらく,薄暗い林床に 差し込む僅かな光を最大限利用するためだと思う。対生する6枚の葉を縦に3段重ねた場合,どうしても 下方の葉が上方の葉の陰になってしまう。一方, 6枚全てを同じ高さに並べた場合,重なりはほとんどなくなって,どの葉も 効率良く光合成することができるようになる。エンレイソウなどの似たようなデザインの草 についても,同様のことが言えそうだ。

花の中に花がたくさん 【生育地】 亜高山〜高山の林床・林縁
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(中部地方以北),四国
【花期】 6〜7月


トップ