ゴマノハグサ科クワガタソウ属

フラサバソウ

Veronica hederifolia L.

フラサバソウ
東京都文京区 2007. 3. 10

都市近郊の路傍でみられるクワガタソウ属の外来植物の中では,おそらく オオイヌノフグリ, タチイヌノフグリの次に観察しやすい種類。

明治初年に長崎で採集され,FranchetとSavatierにより報告されたのが最も古い記録であり, 和名は彼らのその業績を記念してつけられた。人名に由来する和名は数多いが,本種のように 2人分を省略してつなげたものは珍しいと思う。種小名と同じニュアンスである 「ツタノハイヌノフグリ」という名前も提案されたが,こちらは一般には受け入れられてはいないようだ。 果実が平種無し柿のような偏球形であり,あまり「フグリ」に似ていないせいかもしれない。

花は直径4 mm程度で淡いラベンダー色。色・サイズともに,コ ゴメイヌノフグリとタチイヌノフグリの中間的な特徴をもつ。一方,葉や茎,果実などの特徴はコゴメイヌノフグリに よく似ており,とにかく毛が多い。特に,萼片の縁には櫛の歯のように長く太い毛が並ぶ。ただし, コゴメイヌノフグリと違って果実の表面には毛がない。このことを頭に入れておくと, 両者の識別に戸惑ったときに助かる。

【生育地】 畑地や路傍など
【生活史】 越年草
【分布】 ヨーロッパ原産;北海道〜九州に帰化
【花期】 4〜5月
【備考】 オオイヌノフグリなどと 比べて発芽の時期が遅く,花期になっても茎の下部に子葉が残っている。写真の個体の周りにも, まだ実生に毛が生えたような段階にまでしか成長していない株が多く見られた。