セリ科エキサイゼリ属

エキサイゼリ

Apodicarpum ikenoi Makino

エキサイゼリ
茨城県 2005. 4. 28

茨城県のとある川のほとりに,何種類もの絶滅危惧植物がホットスポット的に生育している場所がある。その多くは裸地的な氾濫原を好む種やスプリング・ エフェメラル的な性格の強い種であり,河川改修などのため個体数が著しく 減少しているものばかり。有志の手によって毎年行われている 野焼き作業が,彼らの命脈を辛うじて保っている。

天保年間の大名・旗本の博物学同好会「赭鞭会」の主宰であった 富山藩主・前田益斎が初めて記録したとされるエキサイゼリも,そういった植物のひとつである。 草姿・生育環境ともにセリにやや似ているものの,葉が単羽状複葉である点に注目すれば簡単に識別できる。 花序は疎ら,ひとつひとつの花も大変 小さいので,他の植物に気をとられていると花期のピークであっても見過ごしてしまいがち。しかし,実は1属1種で日本固有という,世界的にみても大変 珍しい種類なのだ。

東京,神奈川,愛知の個体群は,既に絶滅かそれに近い状態に陥ってしまった[1]。 これ以上の自生地の消失を防ぐためにも,生育環境の保全が早急に望まれる。

【生育地】 低地の氾濫原の湿地
【生活史】 多年草
【分布】 本州(関東,愛知)
【花期】 4〜5月
【備考】 国のRDBで絶滅危惧IB類