バラ科チョウノスケソウ属

チョウノスケソウ

Dryas octopetala L. var. asiatica (Nakai) Nakai

チョウノスケソウ
山梨県南アルプス市 2008. 7. 27


展葉したてのサクラソウにそっくりな葉をもつ,可憐な高山植物。

その名は,幕末から明治にかけてロシア人植物学者マキシモヴィッチの助手をつとめた植物採集家・須川長之助翁の名に因んだものである。 和名に彼の名前を冠している植物は本種だけだが,学名まで含めると結構な数だ。 変種や品種などまで含めると数十にものぼり,往時の彼の活躍ぶりが偲ばれる。

チョウノスケソウの見た目の印象は,同じバラ科のチングルマにやや似ており, しばしば混同されたり,セットにして語られたりする。しかし,両者の生育環境ははっきりと異なる。 チングルマが雪田周辺などのやや湿った立地を好むのに対し, 本種は雪が積もりにくい吹きさらしの岩場など,より乾燥した場所に多いようだ。 この属の植物にはフウセンタケ属などの外生菌根菌と共生関係にあるものが多く,本種も例外ではない。 厳しい環境に耐えられるのは,彼らのような心強いパートナーあってのものなのかもしれない。

【生育地】 高山の岩場,岩礫地など
【生活史】 落葉小低木 
【分布】 北海道,本州(中部地方以北); 母種は北半球の亜寒帯に広く分布
【花期】 7月