キキョウ科ホタルブクロ属

チシマギキョウ

Campanula chamissonis Al.Fedr.

チシマギキョウ
長野県白馬村 2006. 8. 19


紫色の花を咲かせる高山植物は枚挙に暇がないが,花の存在感や美しさで順位をつけるとしたら, 本種は間違いなく上位に入るだろう。草丈5〜10cm程度と小型ながら,花冠の長さは4cm近くに達し, 満開の花をつけた姿からはややアンバランスな印象さえ受ける。 厳しい環境の中でよくぞここまで花にコストを割けるものだと感心する。

近縁のイワギキョウとは分布域の多くを共有し,見た目や生育環境も似通っている。 しかし,花をよくよく見ると両者の間にははっきりとした違いがある。 チシマギキョウの花は青みよりも紫色みが勝った青紫色で,花冠の内側には長い毛が生えている。 一方,イワギキョウの花はどちらかというとコバルトブルーに近い色で,花冠は無毛。 また,前者の萼裂片は幅広で鋸歯が目立たず,花冠に沿って垂れ下がるためホタルブクロなどに似る。 後者のそれには細くて明瞭な鋸歯があり,ツリガネニンジンなどに近い雰囲気となる。

【生育地】 高山帯の風当たりの強い砂礫地や岩場など
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(中部地方)
【花期】 7〜8月

チシマギキョウとイワギキョウ
左がチシマ,右がイワ 長野県白馬村 2006. 8. 19