キク科ムカシヨモギ属

アズマギク

Erigeron thunbergii A.Gray

アズマギク
岩手県一関市 2010. 4. 24

ムカシヨモギ属の植物には,外来種というイメージがつきまとう。

たとえば,ハルジオン,ヒメジョオン,そしてヘラバヒメジョオン。彼らの和名に馴染みがなくとも,「貧乏草」という愛称には心当たりのある人は多いだろう。また,草姿が随分と違うが,空き地などで細かい花を多数つけるヒメムカシヨモギもこのグループ。日本に侵入しているキク科の外来種の中では,いずれもポピュラーな部類に入る連中といえる。

しかし,この仲間にも在来種は存在する。その代表ともいえるのがアズマギクだ。頭花は茎の頂きにひとつずつ咲くだけだが,頭花ひとつひとつのサイズはむしろ大きい。満開の頃は,園芸植物のヒナギクにも似て見応えがある。和名の通り,母種のアズマギクは東日本に広く分布し,とりわけ北東北の海岸では大群落が見られるものの,地理的な要因か,それとも開発などの影響か,関東では滅多に見かけないように思う。個人的には,むしろミヤマアズマギクなどの高山帯に生育する亜種・変種に出会う機会が多かった。

ひとつの種がここまで幅広い標高差をカバーしている例は,そう多くはないだろう。移入組と同様に,彼らも高い環境適応能力をもっていると想像される。

【生育地】 海岸近く〜山地の乾いた草原,芝地など
【生活史】 多年草
【分布】 本州(中部地方以北)
【花期】 4〜5月
【備考】 母種は,本州や北海道の高山帯に分布する亜種・変種よりも全体に毛が多い。また,冠毛も彼らとは違って赤味を帯びる。